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1節
一筋の青いひかりが夜空をよぎった。
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2節
「流れ星…」シオンがつぶやいた。
シオンの町では、流れ星は誰か大切な人が亡くなる前触れだという昔からの言い伝えがあった。
シオンの胸に不安が走った。
「何か嫌な感じがする。でも、綺麗だったな…明日、良いことありますように!」
シオンはそう願いベッドに潜った。
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3節
「行ってきます!」
昨日の流れ星のせいだ。寝坊、遅刻、走れ~!
こんな時のための時短コース、雑木林を抜けて海岸線を一直線に行く。
そうすると直ぐにいつもの高校があるはずだった。
が、目の前にあるのは、パンダようなカタチに似た大きな雲の塊だった。
そして、それを覆う感じで、海岸線一面に濃霧が立ちこめていた。
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4節
シオンは、訳が解らず立ちつくしてしまった。
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5節
すると、「グワワワーン」という音とともに、パンダのような雲が大きな口を開けた。
そこから強い光が洩れ出し、逆光状態になって何かが出て来るのが見える。
ちょうど、SF映画で宇宙人が宇宙船から出て来るような演出に似ていた。
「お・はよ・ございます」とうわずった感じの声がした。
そして光の中から、変な着ぐるみパンダのようなものが、ぞろぞろ現れた。
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第1話

1節
一筋の青いひかりが夜空をよぎった。