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『異常なし』
【前回までのあらすじ】
健康診断のために、おもむろに眼鏡をとりだす詩音に、警戒するミルダたち。
しかし、それが視力矯正の道具と分かると胸をなでおろした。
地球のことをいろいろ教えてほしいというレッドの申し出に、
詩音は戸惑いながらも「私でよければ!」と快諾した。

静かに透明のフードが閉じ、
詩音の健康診断が再開された。
そして、いろいろな音や光が、詩音の頭から足先までを包みました。
ミルダたちが言っていた通り、苦痛は感じません。
それどころか、安堵感に心が満たされていきます。

診察カプセルの中で詩音は、冷静さを取り戻しました。
すると頭の中に、ミルダ星やミルダ星人とのやりとりのことなどが浮かんでは消えていきます。
本当にほんとうのこと…。不思議なことがおこってる。
いろいろ考えているうちに、光が消え音が鳴り止みました。

「イジョウアリマセン」マザーコンピュータが診断結果を告げました。
「良かった」 ブルーも画面に浮かんでいるデータを見ながら、ほっとした表情でつぶやきました。イメージ

そして、静かに透明のフードが開きました。
詩音は、少し寝ぼけた感じで診察カプセルの中から出てきました。
ミルダたちの笑顔から、何も悪いところがなかったことを感じた詩音も少し緩みました。

「ご安心ください。異常なし、健康そのものです」
レッドが自信に満ちた穏やかな声で詩音に伝えました。

「ありがとう。でも…私、目が悪いって健康診断の時、いつも言われるんですけど…」
詩音の中の疑問をレッドに返してみました。

「視力のことですね。確かに詩音さんは、地球の病名で近視ということになります。
でも、日常生活をおくる上で、あなたが、さっき見せてくれた眼鏡をかければ、支障がないはずです。
命の危険がない状態なので、異常なしってことなんですよ」
イエローがレッドの代わりに諭すように答えた。

「そうですけど…なんとなく解るんだけど…」
納得がいかない詩音がことばに出来ずにいるとピンクがやさしく言いました。
「そうですよね。地球の考え方とミルダ星の考え方は違うから。押しつけるのは良くないですよね」

「そうだ、そうだ、レッドもイエローもそういうところあるよな」
グリーンがピンクに加勢し、そしてブルーを見て
「おまえは、どっちの味方するんだ?」と 意地悪く言った。イメージ

ブルーがたじたじになっているのを見て、レッドが詩音に向かって言いました。
「これは申し訳ありませんでした。私たちは、今地球に来ています。詩音さんの考え方を学ばなくてはいけなかったですね。
本当に申し訳なかったです」そう言って丁寧に頭を下げました。

「さっき、教えて頂けるようにお願いしたばかりだったのに…すいませんでした」イエローの頭を下げて謝りました。

「これから詩音さんのことを先生と呼ぶことにしよう!」グリーンが提案しました。

「ちょっと待ってください!」慌てて詩音が言いました。
「そんなんだったら、教えられません。私は、そんなつもりで引き受けたんじゃないないの。
みんなと仲良くしたくて…だから先生とかそんな関係じゃなくて…友だちになりたかったから」

「ぼくも同じ気持ちだよ」ブルーが詩音の前に来て手を出しました。

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